JIMMY SLYDE 〜KEEP ON DANCING〜

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JIMMY SLYDE 〜KEEP ON DANCING〜
KEEP ON DANCING
1996年9月3日〜5日
東京芸術劇場 中ホール 5回公演
 
何かを続けているか。何でもいい。何かを続けているか。
どんなに小さいことでもいい。どんなに短いことでもいい。
他人にとってはどうでもいいことでもいい。何かを続けているか。
続けることは難しい。続けるには勇気がいる。
続けるには体力がいる。続けるには努力もいる。我慢もいる。

Jimmy Slydeは、「HAVE FUN!!」という言葉を好んで使うという。「HAVE FUN,おもしろく遊ぼうよ!」・・・。

何を続けているか。何でもいい。何かを続けているか。
そしてそれは、楽しいかい?
 
 CAST/JIMMY SLYDE
青木知枝、みすみゆきこ、藤林真理、宇川彩子、保戸塚千春、上田恭子、小沢直子、綿貫美香、石塚久恵、大宮薫子
宇海光耀・川村隆英、佐藤勝、松本晋一、中嶽宏、佐々木康雄、立花秀之、
鈴木綾、倉沢桃子、木所絵梨奈、高橋愛、久下徹、加藤真寿夫(ジュニア)
特別出演/小川真司
 
MUSICIAN/ 山本剛(p)、岡田勉(b)、村田憲一郎(ds)、福村 博(trombone)、秋山一将(guitar)
                    
STAFF/作・振付・演出/加藤邦保、舞台美術/幡野寛、
脚本協力/原 陽子、照明/土田保 (有)ライティングアート、音響/望月昭治、舞台監督/石川正文 (有)エンドレスファクトリー 舞台装置製作/C-COM舞台装置、
宣伝美術/長谷川光宏、大金岳彦、協力/加藤美由紀、
招聘/協同プロモーション 制作/保戸塚千春 
Special Thanks To/石田総一郎
 

夢を求めるには勇気がいる。

作・演出・振付 加藤邦保

ある時、子供のおもちゃ箱を整理していて気がついた。このおもちゃはどうなるのだろう?買ってあげたばかりの時は遊ばれ、大切にされていたのだが、時が経つと子供の目は新しいものへと向いている。かつておもちゃは子供達の夢や想像力を育てる道具のひとつであった。コンピュータゲームが流行る今、子供達の想像力をかきたてるどころが、子供達が自分たちで想像し物を創ることが少なくなったように思われる。最近、アンティークな人形が見直されているが、彼らは人に夢を与えることが使命だと知っている。もしかしたら再び子供達に遊ばれることを夢見て待っているかもしれない。そんな時、ジミーのメッセージが頭に浮かんだ。「keep on Dancing」・・・。僕らの役目も彼らと同じ。おもちゃ箱の中で出番を待っている。箱の中でたくさんのものが入れ替わる中で、自分の使命をやり通す勇気を持ち続けるのは大変だ。ジミーはその勇気を若い世代に教えてくれた。だからこそ、人形が永遠に与え続ける創造力をテーマにしたかった。この作品はジミーのために創った。また作品をつくっていく中で、僕が初めて演出の手ほどきを受け僕の舞台にも出演していただいている小川信司さんの顔が浮かび、初心に返るつもりで出演してくださるかどうか、お願いしてみた。本当に感謝している。僕は今、僕のまわりで支えてくれるたくさんの暖かい人達に見守られながら、大きなおもちゃ箱の中で、夢を求めて生きている。

<STORY>

舞台上の巨大な箱の中から、一人の老人(小川真司)。「私は・・・・。死を待っている。年老い始めて私は死を待ちながら、生きる喜びを知ったのかもしれない。人間はこの世に生まれて死ぬまで、何かを待ち続けている。あなたも・・・。そしてあなたも・・・。」老人がひとつの人形を取り上げ、ねじを巻き、その場を去る。すると人形達の舞踊劇が始まる。ニューヨークの一日の風景。田舎から出てきた青年が街を歩いている。ダフ屋から宝くじを買い、思いがけず当ててしまう。たかる街の人々。逃げる青年。ひとつのドアに逃げ込む。ポーカーで大負けした青年は、最後に残った金貨でスロットマシーンに挑戦。またもや大当たりしてしまう。街へくりだし、あやしい女に溺れる青年。そのうち女のボスが登場し打ちのめされる。街中を放浪する青年。青年につきまとう影・・・。再び街へ戻り、再び宝くじに勝つ。今までと違って優しい気持ちになり、祝福される。舞踊劇中のショーがクライマックスに達すると、突然、天から一つの人形(スター)が落ちてくる。踊り始めるスター。しかし他の人形たちは誰もついていけず、スターは孤立する。「そのうちあいつもわかるだろうよ・・・・。」一人残るスター、励ます長老(ジミー)。女性の人形たちが新作の練習をしている。ジミーが、振り返ると、代わりに子供達が立っている。しょんぼりとした姿で現れるスター。ジミーにスターを託して子供達は去る。踊りかけるジミー。「踊らないのか?」「Keep on Dancing! You Must Keep on Dancing!」 ジミーは黙って踊り始め、スターは引き込まれるように踊りだす。二人は意気投合し、スターはますます真剣に踊り始める。最後に一人になり、踊り終えジミーの胸で泣き崩れるスター。人形たちが一斉にスターの回りに集まる。「みんなでショーをつくろうぜ!」 立ちすくむジミー。ポーカーの準備をしている老人。「僕の役目はもう終わりさ・・・。」とジミー。「ジミー、お前には聞こえないのか?」 子供達、「ジミー、ジミー、ジミー・・・。」 「Keep on Dancing・・・、keep on Dancing」 ジミー、「Keep on Dancing? Oh,Dancing」・・・。

<INTERVIEW>

公演の打ち合わせのためボストンに行った加藤邦保氏。2度目の来日について、ジミーに語ってもらった。

 Q.2回目の来日を前に今の心境を?

A. 初めての来日の時は何もわからずやって来ましたが、ショーが終わってみると、本当に素晴らしい体験をさせて頂いたと感じました。JAM TAP DANCE COMPANYと共演できたことを大変嬉しく思っています。今回は、日本のお客様のことも、Dancer達のことも、以前よりよく知っていますので、とても待ち遠しいですし、きっと、もっともっと素晴らしいショーになるでしょう。

 Q.今回の作品についての感想は?

A. この作品によって、私自身の夢も実現するという感じですね。作品のテーマである、”DANCERの精神”−もっと踊りたいという欲求は、かつて私も経験し、私の友人のDANCERたちも、そしてDANCERの誰もが経験するであろう感情です。これを伝えることにより、多くの人たちに踊ることの素晴らしさを伝え、これからの時代のDANCER達の手助けになれば幸せです。

 Q.最近のパフォーマンスは?

A. ここ2年ほど、NYのクラブ”La Place"で、多くのTap Dancerを集め、アイディアやステップの交換をしたり、新しいTapを学んだりしています。またつい先頃、マサチューセッツ州で”サラトガ ダンス フェスティバル”が開催され、初めてTapが取り入れられたパフォーマンスでは、グレゴリー・ハインズ、ダイアン、ウォーカーなど、これからの時代を担う多くのTap Dancer達が出演し、多くの後継者達の存在が私を安心させてくれました。今度は日本に行って"Slyde"をお目にかけますので、楽しみにしていて下さい。

 Q.若いDancer達について。

A. 大切なことは、自分が何を教えるかではなく、何を教わってきたかということです。若く成長過程の人はそれを忘れがちですが、年をとっても、自分が何を教えてもらい、何を習ったかということを大切にするべきだと思います。

 Q.その点、若いDancer達は、自分本位のところがあると思うが・・・。

A.彼らは自分の聞きたいことしか聞かない。聞きたくないことには耳をふさぐ。それは教えている人間を信じていないわけではなく、自分のやり方で試してみたいからなのです。時としてそれは良いことだと思いますが、いずれすべて自分に帰ってくるということを忘れてはいけません。先生方が言ったことをただそのまま吸収するのではなく、彼らは彼らのやり方で何かを見出していかなければなりません。それはとても難しく時間かかることですが、何かを見つけた時、必ずそれは自分の師のもとに戻ってくるはずです。

 Q.N.Yに行くと変貌してしまう若いDancerについて。

A. それはN.Yそのものの影響であり、N.Yこそすべてと思ってしむのでしょう。皆、N.Yを知ったつもりでいますが、誰ひとりとしてN.Yのことは知らないのです。もっと人間として学ばなければいけないことはたくさんあるのに・・・。

 Q.若いDancer達に教えていることは・・・。

A. 私は基本が一番大切を教えています。“シャッフル”、”フラップ”、”Time Step”、”トーン"、などの基本が大切なのであって、Stepの種類が重要なのではありません。また、即興には何の意味もありません。”La Cave”や”La Place”にやってくる若いDancer達に私は必ず「Time Stepを見せて下さい」と言っています。

 Q.ところで、JAMを結成した5年前には、あなたと仕事ができるとは思ってもみませんでした。

A.ショービジネスは夢が現実となることです。花が咲いていきように夢が実る、だからDancerは素晴らしいのです。私自身、今は多くのことをやろうとは思いません。ただ、今までやってみなかったこと、誰もやっていないことをやってみたい、他の人が後に続きたくなるようなことをやりたいのです。そして、自分の仕事が若い次の時代のDancerに役にたてばと思います。あなたも、”Mr. DANCE MAN”、”Keep on Dancing”が始まりであり、これからどんどんStep Upされることでしょう。私も協力を惜しまないつもりです。

 Q.最後に、日本のファンにメッセージを・・・。

A.よそ見をしないで頂点を目指すJAM TAP DANCE COMPANYのDancer達の姿には、私も学ぶものがあります。今回も彼ら若いDancer達からStepを盗まさせてもらいますよ。最近、N.Yの若手Tap Dancer達の間で、”Big up!”、”Big up Kids.Get Ready!”が合言葉になっています。今回も皆様を楽しい世界へと誘います。楽しみに待っていて下さい。

1996年7月10日 ボストン、ウェストンホテルにて

96bostonJIMMY氏と演出の加藤邦保

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